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皆川博子さんの『聖女の島』を読みました。

これも積ん読になってた、10年くらい前からずっと気になってた作品です。皆川博子さんの『聖女の島』。


装画がちょっとあれですが(なんとなくバブル期の雰囲気)20年以上前のノベルスの復刊ものなのでこのへんは仕方ないでしょう。一時期は絶版になって店頭では手に入らなかったようですが、この写真の右側でも確認できるように有栖川有栖さん、綾辻行人さんのセレクトによって復刊されたもののようです。

皆川さんの作家としての存在、とても才能のある方らしいというのはこれまでいろんなところで目に、耳にしてきたのですが(主にミステリや幻想小説といった分野での)実際に読んだのはこれが初めて。

他にも、もっと最近の作品では有名な(吉川英治文学賞受賞作)『死の泉』というのもあって、実はこっちのほうがかなり気になって読んでみたい気バリバリだったのですが、ちょっとその前に軽めのもの(こちらのほうがボリュームも手頃だったので)を前哨戦に読んでからと思いまして。

だが、しかーし!

失敗でした。やっぱり自分の欲望に素直に従って『死の泉』にしておけばよかった。

ネタバレになるので内容についてはとくに言及しませんが(なので全然参考になりませんが)だいたい、この手の分野の小説(幻想文学)は定義とかも曖昧で、その言葉だけを信用して読むとけっこう痛い目にあいます。なぜならば、人それぞれの「幻想」が違うからですね。当然ですが。

一般の読者だけでなく、著名な作家さんの間でも名作と名高いらしいのですが、自分の感覚(求めるもの)とはかなりズレていたようで、けっこうダルかったです。読後感も別にどうということもなく。

検索すると「推理小説風味のホラー小説」とかっていう紹介もあったりで、本当にこのへんの感覚は絶対のものがなくて、人それぞれなんだなぁと、あらためて「口コミ、人の書評はあてにできるものとまったくそうでないものがある」と再確認しました。

それにしても、復刊にあたった綾辻さん、有栖川さんが本作の帯に寄せたコメントがすごい。

『比類なきこの香気!』綾辻さん
『これは絶望と救済の物語。祈るように読みたい。』有栖川さん

とかで、そういうふうには全く感じていない(楽しむことすらできていない)自分は罪悪感すら感じてしまうほどです。

また、終わりの解説をあの恩田陸さんが書いておられますが、これも絶賛、熱いです。

素直に『死の泉』を読むことにして、それでまた合わないと感じたら、、縁がなかったと諦めることにします。ま、読書体験はこういったことが八割とかだったりするけれど、そういう中で「おぉ!これは!」的な出会いがあるからこそ、面白かったりするわけで。


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